彼と彼女

英語はいろいろと大変らしい。 何が大変かというと、「彼」と「彼女」の区別である。 たとえば、chairman(議長)などのように、男性とは限らない役職名にmanが入っていると問題になるらしい。そこで、chairpersonのような造語を発明しなければならなかった。 …

優しさの証明

私たちの歴史 それは戦争、欲望、憎悪、嫉妬、などありとあらゆる悪徳から構成されている。 歴史の本をひもとけば明らかだろう。そこに書かれているほとんどが「争いの歴史」である。 人間は、生まれつき、攻撃的で利己的で貪欲な生き物なのだ。それが、人間…

駄文3

「こんばんわ、NHKです。受信料の集金にうかがいました」 「うちは払いませんよ」 「いえ、これは、見てなくても払っていただく、ということになってまして‥‥」 「見てないとは言ってないでしょう。見てます。見てるけど、払いません」 「そんな無茶な‥‥…

欺瞞

アンデルセンはデンマークの有名な童話作家である。 実は、アンデルセンの童話については、どことなくいやな感じ、というか、不快感を感じていた。もちろん、子供の頃に感じていたわけではなく、高校生か大学生の頃、岩波文庫版(たぶん)を読んで以来のことで…

BETWEEN LIFE AND DEATH

「死」の判断基準の話である。 「脳死」を人の死と判断すべきかどうか、議論になっているようである。「脳死」か「心臓死」か、法律・倫理学・医学・哲学・宗教まで巻き込んで、議論が沸騰しているようだ。沸騰などしていない、という意見もありそうだが、話…

駄文

私はこの文章の主語ではない。 私がこの文の意味だ。 私が、今君が考えている考えである。 私はちょうど今自分のことを考えている。 私はあなたが文の中の文字を読み、私のことを考えているときに、あなたの頭脳の中で起こっている神経系の発火である。 君は…

アリス

アリス、という名の猫がいた。 私の家で飼っていたわけではない。奈良に住む伯母が飼っていた猫だ。盆や正月など、年に数回伯母の家に遊びに行った時に会うだけだったが、今でもアリスは私の記憶に鮮明に刻まれている。 アリスは白の雌猫だった。細身の体に…