駄文3

「こんばんわ、NHKです。受信料の集金にうかがいました」

 

「うちは払いませんよ」

「いえ、これは、見てなくても払っていただく、ということになってまして‥‥」

「見てないとは言ってないでしょう。見てます。見てるけど、払いません」

「そんな無茶な‥‥」

「だから、かまわないから、電波止めちゃってください」

「‥‥は?」

 

「電波をうちに送るの止めてください。電気・ガス・水道・電話なんかは、みんな、料金払わないと止められるでしょ? だから、それと同じことをしてください」

「そんな‥‥。できるわけないでしょう」

「なるほど、できませんか。すると、電波は、『管理物』ではない、ということですね。だったら、料金を払う必要はないわけだ」

「どういうことです?」

「そうですね、この例がわかりやすいかな。たとえば、私が、芳香剤を作ったとします。そして、あなたの家の近所でその芳香剤をまいた。その後、あなたの家に行って、『匂いを嗅いだのだから、料金を払え』と言います。あなたは払いますか?」

「払うわけないでしょう。大体、嗅ぎたくなくても嗅がざるを得ないじゃないですか」

「そのとおり。この場合、たとえ嗅ぎたくて嗅いだ人に対しても、料金を請求することはできないんですね。もちろん、払いたければ払ってもかまいませんが、強制はできません。なぜかというと、『料金を払った人だけに対して、選択的に物やサービスを提供する』という制度になっていないからです。NHKの電波も同じことです。だから、本当に受信料を徴収したいなら、『WOWOW』のようなシステムにするべきでしょう」

 

「‥‥ううっ、そんな屁理屈こねてないで、払ってくださいよ~。ちゃんと法律にも書いてあるんですから」

「その法律というのは、放送法の第32条1項のことですね。でも、そこには、罰則規定がありませんよ。つまり、払わなかったからといって罰せられることはないわけです」

「‥‥‥‥」

「だから、払いたくなければ払わなくても何の問題もないわけです。わかってもらえましたか」

「‥‥‥‥」

「では、さようなら」

 

 

(実は、この論理にはひとつ「穴」があって、『日本放送協会放送受信規約』までツッコまれたら論破するのがちょいと面倒なのである。)